バウンスが発生する3つのタイミング

送信した電子メールがなんらかのエラーで戻ってくる事をバウンスと表現します。

送信したメールが自分のネットワークにあるメールサーバを通り、 相手側メールサーバに到達し、 宛先メールボックスに配送されるまでの間、 バウンスが発生するタイミングは次の3つに分類できます。



初出: bouncehammer.jp/ja/when-does-email-bounce

A

A. 接続前

図のAは接続エラーの際にバウンスします。 概ねバウンス全体の5%前後が接続エラーで発生するものです。 接続エラーは主に相手側メールサーバにSMTP接続する以前に起こるもので、 次のような事項が原因です。

  • 宛先メールアドレスのホスト部分(@の右側)が存在しないドメイン
  • 宛先メールアドレスのホスト部分がDNSで名前解決できない
  • 名前解決した相手側メールサーバのIPアドレスが不正
  • 相手側メールサーバにSMTP接続できない(応答がない・接続が確立できない)
  • 自分のメールサーバと相手側メールサーバ間のネットワーク障害など

接続エラーで発生する実際のバウンスメールは、一定期間内に配送できなかった (Delivery time expired)という文言が書かれています。

このケースで注意すべきなのは、上記のような接続エラーは相手側メールサーバや 宛先の周辺ネットワークの障害・異常だけが原因ではない事です。

DNSで名前解決できない

宛先メールアドレスのドメイン部分(@の右側)の権威あるDNSコンテンツサーバに異常がある、 というのが最も多いのですが、 自分のメールサーバが参照しているDNSサーバが機能していない 可能性もあります。

応答無し・ネットワーク障害

多くは相手側メールサーバがダウンしている、相手側ネットワークのFirewallが SMTP接続を阻んでいる、というケースです。

しかし自分のネットワーク側のFirewallが外部へのSMTP接続を阻んでいる可能性もあります。 接続プロバイダによって行われるOP25B( Outbound Port 25 Blocking)は 自分のネットワーク側が外部へのSMTP接続を制限している為に接続できないケースに該当します。

B

接続中

図のBは相手側メールサーバにSMTP接続が確立した後、 SMTPセッション中に発生するエラーによってバウンスします。 バウンス全体の85%前後、つまりほとんどのバウンスはこのタイミングで発生する ものです。

このケースで発生する実際のバウンスメールは、宛先不明(userunknown)、 メールボックスいっぱい(mailboxfull)、メールが大きすぎる(exceedlimit)など様々です。

C

送信後

メールサーバではqmailがデフォルトでこの動作をします。 また日本の携帯電話キャリアではau by KDDI(@ezweb.ne.jp宛)も概ねこの動作をします。

送信した自分のメールサーバから見れば、送信のSMTPセッション自体は正常に終了した後、 数秒〜数時間経過してから、相手側メールサーバからバウンスメールが送られて きて、 それを受け取って発信者に送信(差戻)します。


あるいは、宛先不明や接続元IPアドレスがブラックリストに載っていたなどの場合のみ、 SMTPセッション中にエラーを発生させ、それ以外は一旦受け取って改めて バウンスメールを送ってくる場合もあります。

多くの場合、バウンスメールはBのように、送信する自分のメールサーバが 生成して発信者に送り返すものですが、Cの場合は相手側メールサーバによって作られ、 そして相手側毎の様々なバウンスメールのフォーマット・文言が存在します。